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※このコンテンツを読む前に、「自分がまだ非アダルトゲーマーだった頃」について、今一度振り返ることをオススメします。また、その際の周辺の様子なども振り返ることが望ましいです。
用意ができたらこの先へどうぞ。
近年一部のネットの界隈ではアダルトゲームの衰退が盛んに噂されている。
一方でまた生成AIの台頭に伴って、
「AIを使ってのゲームの再興ができるのではないか」という意見もちらほら見られたのだが、
それについて消費者側と製作者側で意見に大きな隔たりがある。
そのことを踏まえて「アダルトゲーム界隈の衰退」と「AIによるアダルトゲームの再興の可能性」を検討したいと考えた。
この点に関してはLLMに聞いてもよかったのだが、
さすがに「LLMに聞くだけだと味気ないな」と思ったので、
元アダルトゲームプレイヤーという観点から中の人が考察してみたものである。
なお、ここでいうアダルトゲームの定義とは
「性的な表現を理由に」「18歳未満プレイ禁止と制限されたゲーム全般」を指す。
「18歳未満プレイ禁止」の中には「性的な表現」によるものと「暴力あるいは殺人などの表現」によるものに大別できるが、後者は明確にR18Gとして、他のR18と区別されていることが多いためこれは除外する。
またパソコン・スマホ・携帯型ゲーム機など、プラットフォームは一切問わないものとする。
一方でプラットフォーム変更に伴って、性的表現を削除されたものについては、今回の「アダルトゲームソフト」の定義から省くものとする。
補足だが、今回の定義でのアダルトゲームには
- 性的な消費を純粋な目的とした抜きゲー
- キャラクターの表情や属性を楽しむキャラゲー
- そのゲーム自体がストーリーとして完結しているストーリーゲーム
など、いくつかの細分ができるが、今回に関してはそれは考慮しない。次回以降の題材とする。
それではまず消費者サイドからアダルトゲーム衰退について考えることとする。
消費者から見たときのアダルトゲーム参入の問題点はざっくり考えると
- プレイ参入にかかる初期コストがあまりにも高すぎる
- majority-drivenな社会において生きていける趣味ではない
ということが挙げられる。
前者についてはまず「アダルトゲームのコスト相場が非常に高すぎる」ことが挙げられる。
いわゆるフルプライスのゲームというのが相場として1本およそ1万円。
またプレイ時間も1本およそ40~50時間とかなり長い。
そのような単純な時間的、あるいは金銭的なコストを支払えるだけの余裕があるのかどうかということがそもそもの問題点として挙げられる。
後述のソシャゲやスマホ動画と比べても、初期消費コストの時点で打ち負けている。
また、これだけの非常に高いコストで払っても、それに対するコミュニティの広がりは非常に狭い。
non-R18なアニメやゲームあるいは鉄道や自衛隊などに対するオタクは、確かにコミュニティ拡大の恩恵を受けることが容易だ。
しかし、アダルトゲームことアダルトゲームに関しては、現実世界で「私はエロゲーマーです」などと公言する人は非常に少ない。
いるとしてもオタクの中の本当に限られたごく一部(それも「世捨て人」や「無敵の人」レベル)か、あるいはオタク受けを狙った一部の本当の猫かぶりにしか現実世界ではヒットすることができない。
それゆえ必然的にコミュニティを求めるとなると、ただでさえ現実世界に満足していない、あるいは陰キャが多いと言われるような、SNSの世界でしかコミュニティを広げることができないことが多い。
更に、アダルトゲームに関しては「世間的な評価があまりにも低すぎる」ということも問題として挙げられる。
これについては後述の話に重複するが、フルプライス3本分=おおよそ3万円分の金で、
結果的に、「非常に高い」時間的&金銭的なコストを支払ってまで自らの「世間的な評価」を自分の手で毀損することになる。
そうして得られたものが仮に、登場キャラクター、あるいはストーリーに対する本当の愛だったとしても。
ここから先にもう一つ大きな障壁がある。
それは人間に限らず、意思を持った動物が「本物だが触ることのできない他者の感情」と「形だけのパフォーマンス」のどちらか一方しか選べない環境において、「形だけのパフォーマンス」の方が「優先度も満足度も高い」という現象に起因する。
つまり、「物理的影響の壁」を越えることができない限り、アダルトゲームに対して1本1万円というようなフルプラの大金を継ぎ込むことは「割に合わない」と断言せざるを得ない。
以上より、消費者サイドから見たときの一つの視点として
「アダルトゲームに対する参入障壁、あるいは活性化エネルギーがあまりにも高すぎる」ということは金銭的・時間的・心理的に明らかなのだ。
続いて、「ゲームそのもの」という少し広めの枠組みで見たときに、そもそも「ゲームをプレイするだけ」だったらソーシャルゲームで事足りてしまう。
それどころか、通勤時間や寝る前の数分間など、「隙間時間でサクッとできる」ようなソシャゲの方が手軽な訳だ。
ほぼほぼ決まった時間を家やネカフェのような、閉鎖的な環境に閉じ込められる可能性の高い、「アダルトゲームにこだわるような理由がない」ということも挙げられる。
もっと言えば、アダルトゲーム自体が「風俗通い」以上に公言できない趣味ということも非常に大きい。
「法律的な犯罪だけじゃないだけヤク中よりマシ」と本人が思っていたら、「アダルトゲームやってます」と宣言した、あるいは外野にバレた瞬間から「性犯罪者予備軍」として、外野からは下手するとヤク中より下に見られることも多い。
そのレベルのレッテル貼りをされることもあり得る、となるとわざわざ自分から、「自分の社会的尊厳を踏みにじられるような環境に身を置きたい」と誰が思うだろうか、という話でもある。
火にガソリンを注ぐようで悪いが、「オタクの先鋭化」というものも挙げられる。
アダルトゲームの名作は確かに、電子ゲームが最初に販売されてから半世紀近くが経つとは思う。
その中には当然古いものから新しいものまで、名作と呼ばれるものはたかだか有限個ある。
その名作にこだわりすぎるがあまりに、「『【新規参入したい】と考えているプレイヤー予備軍』の周辺環境」を無視して、「その用途でしか使えないようなデバイスが必要になる作品」など、タダでさえ参入障壁の高いものを「これが名作だから、一度はやっておくべき」などと紹介し、さらに参入障壁を自分で上げていってしまっている側面があるのではないか、と考えられる。
そしてこれらが密接に絡まっており、そのコミュニティの中でより高い評価を得るためには、
現在の一般社会の大部分を構成しているmajority-drivenな社会では最早生きていくことができず、必然的に「アダルトゲーマーの集い」といった、より小さなsub-communityで「お山の大将」を目指すしかないのである。
そしてその「お山の大将」を目指していった結果、そのsub-communityの外の人間、つまりアダルトゲームに参入していない人間が見えなくなってしまい、「自分/仲間受けが良いから」と、やがて先鋭化する…
というこのプロセス自体が、もうすでに嫌われているものだと考えられる。
私がアダルトゲームを引退した理由の一つには、このような流れもあるのだが…。
それはさておき。
某氏に依頼した、過去データの部分的な完全復旧ができ次第、この項は記載したい。
今回は新規消費者目線で少し考えてみたが、私が見た中でもやはり「一般的なコミュニティからの乖離・逸脱」と、非常に高いコストを支払ってまで得られるものが少なすぎるという、「B/Cの低さ(損失しか発生し得ない状況、損失がさらなる損失を生み出す状況)」が要因として挙げられる、と考えている。
それに加えて、制作側にもいくつかの問題点があり、そしてこの制作側の問題点とプレイヤー側の問題点が不可分であると考えている。
制作側を踏まえた観点については、後日また別の記事で書き下ろしたい。
今回はここまで。
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